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考えていることCONCEPT

2012年4月1日(日)
ホームページのリニューアルに寄せて
これからの「福祉」;もっと豊かに、楽しく、「私」らしく。

「介護保険法」なるものが施行されて以来、「要介護」の度合いが数値で表され、それを基準に「必要な」ケアプランが立てられるようになった。もちろん、継続的に保険を適用させ、もろもろの「福祉」を円滑に進めるシステムとして、一定の機能は果たしているかもしれない。確固とした制度がなければ、日常の生活が保障されないという現実もある。
   ただ、そこで生じてくるのは、やはり個々の人生の問題である。人は十人十色。性別も違えば、年齢も違う。性格も違う。趣味も違う。住んでいる町が違う。同じ病気でも、症状が違い、症状の出る時間が違い、あるいはそれが出る日があったり、出ない日があったりする。同じ名前の障がいを持つ場合でも、日々の生活をしていく上で、そのことがどれくらいの壁になっているかは、これまた人それぞれ。そんな多様性と個別性を、大きな制度やシステムでひとくくりにするのは、どうしても無理がある。
「要介護3」とか「要支援1」とか、あるいは「認知症」とか「肢体不自由」とか、介護や支援を必要とする度合いや、いわゆる「病名」だけが先走りして、個人の名前、年齢、性格、趣味は二の次になり、介護に駆け回る側は、ともするとその人自身を、その日のその人自身を見過ごしがちになる。今日はせっかく調子が良かったのに、時間に追われてその人の能力をあらためて引き出せなかったり、普段より調子が悪かったのにそれに気づかず、結局なにも対応できなかったり、相手が出している微妙なサインを見逃してしまう。その人がそれまで生きてきた人生を、それがいまも続いている事実を、忘れてしまう。そして「よかれ」と思ったことを、「あなたのため」だと押しつけてしまう。
 そしてそれはまた、介護を受ける側にも言えることだ。この人は「ケアマネージャー」、この人は「ヘルパー」、この人は「施設の人」と、名前ではなく肩書きに慣れ、自分のためのケアプランであるにもかかわらず、なにも考えずに受け入れ、合わせてしまうふしがある。それが日常になれば、やってもらうのが当たり前、という思考にもなる。あれこれ疑問に思っても、自分の専門ではないからと、あきらめてしまう場合もあるかもしれない。

 でも、僕等はこう思うのだ。生きることに、専門もなにもない。あるとすれば、その人の「私らしさ」こそ、その人にしか実現できない専門なのだと。たしかに自分で判断することがむずかしくなれば、周囲の助言(公的なものや、家族のそれ)を参考にし、程度の差こそあれ、それに従わざるを得ない状況になるだろう。しかしだからこそ、僕等は立ち止まって、考える。その人の人生が真の意味で豊かになるには、いったいどんな方法があるのかを。いろいろな壁がありつつも、それらをひっくるめて楽しむには、どんなことができるのかを。
 理想的なのは、具体的なアイデアや策を、当事者の方々といっしょに模索することだ。対話を通じてその人を知り、なにが大切かを見極めた上で、提案する。だって、きっと誰もが、「私らしさ」をあきらめずに生きていきたいと思っているに違いないのだ。杓子定規のシステムではすくい取れない、その人それぞれのあり方、ペースやリズム、その人がほんとうにいたい町や場所、あらゆる要素をくみ取って。
 既成の「ケアプラン」に合わせる形でただ生きるのではなく、人肌や温度の感じられる独自の「ライフプラン」を踏まえた、「私らしい」時の過ごし方。

 そんなあれこれを、僕等なりに提案し、実現することによって、僕等もまた、人生の先輩(あるいは後輩)たちに、貴重な教えを請いたいと思っている。これからの「福祉」を見据え、これまでの「福祉」の窮屈な枠組みを取っ払い(同時に有効なものは活用し)、柔軟で実りある関係や絆を築くために。 対話とふれあいを通じ、お互いの人生を、より豊かに楽しくしていくために。
 それが、僕等がいま、考え、実践していることだ。
 ここ、下北沢を発信地として。

          株式会社ライフデザイン スタッフ一同

2012年3月29日(木)
ロゴについて
 はじまりはこの絵だった。
 何気なく助手席に置いておいた、薄っぺらい木の額入りの絵。《誕生日デート》と題された、本田歩氏による作品。

 大寒を過ぎた夜、東京は突然の大雪で、世田谷通りは宵闇と大雪のモノクロの世界。ハンドルを握る男の目の端に、色鮮やかにきらきらと、たしかな光を放つものが映った。
実際は横幅のほうが長い絵だけれど、運転席からはちょうど、三者三様の人間が並んで立って、いっしょに歩いているような構図に見えた。
 横になっていた人が、すっくと立ち上がって、人と共に道を歩きはじめる姿。めまぐるしい日常のなかで見失いがちな自分らしさをあらためて発見し、ときにひとりで、ときに人の力を借りて、あるいは貸して、自分らしく人生を彩っていく光景。
 そんな一瞬一瞬に、僕らは「証人」として立ち会っていきたい。

  歩氏の絵が「ライフ」だとすれば、弊社は「デザイン」だ。対話を通じてがっちり腕を組み、足並みをそろえ、交互に牽引車となって、これからのより良い未来を創っていく。知恵を出しあって、工夫して、思いやって、笑顔で。

 旅は、まだ始まったばかり。共に、この世界に、必要な存在。そこに壁があるならば、その向こうにはきっと、光を放つものがあるはずだと、この絵に教えられた。
 株式会社ライフデザインの顔であるロゴには、そんな「いま」や「これから」がこめられている。
                           M

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